洋服を着るということ、作るということ
洋服を着るということと、作るということは近いようでいて、でも全然違う。
最近、私はインスタグラムに顔こそ出していないものの、私が普段着ているそのままに私のブランドBANSANや、その他の好きなTシャツなどのコーディネートを時折アップすることにした。
今までは、ずっとそれをなんとなく避けていたのだが、少しだけ心境の変化があったので、それを言葉で少し伝えてみようかなと思って日記のようなお手紙のようなものを今書いています。
避けていた理由としては、一番大きな理由としてひとつ、「私なんかがBANSANを着た写真をアップしたら、BANSANのイメージが悪くなってしまうんだろう。」と勝手に思っていた。
そこには「私はBANSANのデザイナーです」とい事実は毛頭なくっていて、一人のファッションに憧れている30代女性の意見としての事実だけがあるのだ。BANSANを着てくださるお客様は、本当に本当にみんな素敵でお洒落な人ばかりで、デザイナーとしてこんなにも嬉しいことはない。そこに加わって、コンプレックスだらけの私なんかが着たら、BANSANを可愛く着てくださってるお客様に申し訳なさすぎる。だからこそ、いや、私だってBANSAN着るよ、着るけれども、それはあくまでもひっそり静かに。そしてただ黙々と私は素敵な洋服のみを作ることに徹していこうではないか、と。
ただ、私はBANSANが大好きだし、BANSANがとっても似合う素敵な女性になりたいんだ、という静かな目的はあって、いつかきっとすごく、誰よりも似合うようになっていたい、とも思っていた。
伝わってるだろうか、この辺りのよく分からない矛盾とニュアンスが。我ながら変なデザイナーだよな。
全然素直じゃない。
でも、今回、インスタグラムに私が着た写真をアップしたら「真由子が着てるの見て、オーダーしていたドレスの色、変更したくなった」と言って友達が連絡をくれた。普段わざわざこういう感じで連絡をくれるタイプじゃないからこそ(失礼だね、笑)彼女の言ったセリフって結構本物なんじゃないか、と嬉しくなった。
私はどれだけでも素敵な服は作りたい、作れる自信もある。けど、「着る」「着こなす」っていうのはまた違う話で、それはもう今まで「皆様〜!!よろしくお願いします〜!!」って感じだったんだけど、この彼女の一言で、ああ、私が着ることでもBANSANの洋服が伝わることもあるんだなと感じたのだ。
毎日、お洒落したい気持ちは沢山あって、でもそのお洒落って、毎日キラキラした日々じゃなくて、今日はコンビニ行っただけでした。みたいな日も当然あって、でもそのコンビニ行く日もね、少しだけやっぱり自分の中で満足したスタイルはしたいなと思うであります。
だからこそ、そういうのも含め、少しずつ私も「着る」という自分なりの素敵なBANSANスタイルを見つけて行きたいなと思っています。そういう考えと、あと一部のマニアックな方々のリクエストもあったので、このタイミングでちょこちょこと載せるようにしました。
やべーな、今日のスタイリング、、みたいな日もあると思いますが、それも含め楽しんでいただけたら嬉しいです。
秋冬の展示会も終わりました。
ご予約いただいた皆様、本当にありがとうございます。
一緒に、今年の秋が来るのを楽しみに待ちましょう。
BANSANデザイナー
伴真由子